ヒプノセラピーとは?潜在意識に働きかける催眠療法の仕組みと効果を専門家が解説
ヒプノセラピーとは、催眠状態を活用して潜在意識にアクセスし、暗示やイメージを通じて心の奥にある思考や感情のプログラムを整える心理療法です。
セッションでは、セラピストの穏やかな声の誘導により、クライアントは深いリラックス状態へと導かれます。
この状態では、顕在意識(普段の意識)にある批判的・分析的な思考が静まり、潜在意識の扉が自然に開かれていきます。
その中で、肯定的な暗示を与えたり、癒しのイメージを心に描いたり、あるいは年齢退行や前世療法を通して抑圧されていた感情を解放したりします。
こうしたプロセスによって、ストレス・不安・恐怖・自己否定などの感情をやさしく手放し、心の安定と前向きな行動変化を促すことができるのです。
催眠状態とは?瞑想や催眠術との違い
ヒプノセラピーにおける「催眠状態」とは、心と身体が深くリラックスし、
意識が内側に集中している状態のことを指します。瞑想に似ていますが、いくつかの違いがあります。
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瞑想は、呼吸や感覚に意識を向け、自分自身で静けさを育てていく方法。
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ヒプノセラピーは、セラピストの声による誘導を通して目的に沿った変化を促す方法です。
また、「催眠術」と混同されることがありますが、エンターテインメント目的の催眠とはまったく異なります。
ヒプノセラピーでは意識を失うことはなく、自分の意思や感覚は常に保たれています。
つまり、本人の同意と安心を大切にする、安全な心理的アプローチなのです。
顕在意識と潜在意識

◾️顕在意識とは?
私たちが普段「自覚している意識」のことで、考えたり、判断したり、行動を選択したりする部分です。
たとえば、今あなたがこの記事を読んで理解している意識が顕在意識です。
これは心全体のわずか約10%ほどしか占めていません。
◾️潜在意識とは
残りの90%を占めるのが「潜在意識」です。
ここには、記憶・感情・信念・習慣・直感などが蓄積され、私たちの感じ方や行動の多くを無意識のうちに支配しています。
ヒプノセラピーは、この潜在意識に直接働きかけ、
不要な思い込みや感情のブロックを解放し、肯定的なプログラムを再構築するための方法です。
ヒプノセラピーの主な手法
◾️暗示療法
潜在意識にポジティブな言葉を届けることで、望ましい行動や感情を促します。たとえば「私は自信をもって話せる」「私は安心して眠れる」といった暗示を繰り返すことで、 潜在意識が新しい自己イメージを受け入れ、自然に行動が変化していきます。
◾️イメージ療法
ポジティブな映像を思い描くことで、心と身体に前向きなエネルギーを生み出します。 スポーツ選手のメンタルトレーニングにも応用されている方法です。
◾️年齢退行:
過去の記憶にアクセスして、抑え込まれていた感情や信念を解放する方法です。 たとえば、幼少期の「怖い」「恥ずかしい」「怒られた」などの記憶を癒し、 過去の体験を乗り越えることで、現在の自分を自由にしていきます。
◾️前世療法:
象徴的な「前世の記憶」を通して、今の人生でのテーマを理解し、癒しと気づきを得る手法です。 科学的に過去生を証明するものではありませんが、潜在意識の深層を癒す心理的アプローチとして活用されています。
◾️その他のテクニック:
上記で説明したテクニック以外にも、現代のヒプノセラピーでは認知行動療法的なテクニック、NLP的なテクニックなど、さまざまなテクニックをヒプノセラピーと共に使用する事で、より効果的なセッションが行われています。
ヒプノセラピーのセッションの流れ
実際のヒプノセラピーのセッションは、以下のような流れで進みます。
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1:カウンセリング
悩みや目的を丁寧にヒアリングし、最適なアプローチを決定します。 -
2:催眠誘導(リラクゼーション)
セラピストの声の誘導により、心と身体を深くリラックスさせます。 -
3:ワーク(暗示・イメージ・退行など)
目的に合わせて潜在意識に働きかけます。 -
3:覚醒・統合
ゆっくりと意識を戻し、体験した内容を現実生活に活かせるよう統合します。
セッション中は眠っているわけではなく、リラックスしながらも意識はしっかりと保たれています。
安心して受けられる心理療法です。
ヒプノセラピーの効果
ヒプノセラピーには次のような効果が期待できます。
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1:ストレスや不安の軽減
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2:不眠や緊張の緩和
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3:自己肯定感・自信の回復
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4:習慣の改善(禁煙・過食など)
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5:トラウマ・恐怖症の軽減
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6:感情の浄化と前向きな思考の定着
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7:パフォーマンスの向上(仕事・スポーツ・プレゼンなど)
潜在意識のレベルで変化を起こすため、意識的に努力しなくても自然に心と行動が整っていくケースが多くあります。
よくある質問(FAQ)
Q. 催眠にかからない人はいますか?
A. ほとんどの人はリラックスできれば催眠状態に入れます。信頼関係と安心感が大切です。
Q. 何回くらいで効果が出ますか?
A. テーマにもよりますが、1〜3回で変化を感じる方が多く、深いテーマでは数回の継続が効果的です。
Q. ヒプノセラピーは安全ですか?
A. 意識は常に保たれており、セラピストが無理にコントロールすることはできません。安全で穏やかな心理療法です。
Q. 自己催眠とどう違いますか?
A. 自己催眠は自分で行うセルフワーク、ヒプノセラピーは専門家の誘導でより深い潜在意識にアプローチします。併用も可能です。
ヒプノセラピーのことならマスタートレーナーの今本にお任せください。
ヒプノセラピーマスタートレーナーの今本です。
私は、NGH(米国催眠士協会)認定マスタートレーナー、およびABH(米国催眠療法協会)認定マスタートレーナーとして、2008年よりヒプノセラピーの教育・実践・普及に携わってきました。
現在は、全日本ヒプノセラピスト協会の会長として、国内におけるヒプノセラピーの健全な普及と、国際基準に基づく倫理教育の推進にも取り組んでいます。
また、ヒプノセラピスト養成の場として、「クリアライト・ヒプノセラピースクール」を主宰し、ヒプノセラピーを本格的に学びたい方々へ、国際基準に基づいた体系的カリキュラムを提供しています。
これまでに数多くのプロフェッショナルを育成し、心理・教育・医療・コーチングなど、幅広い分野で活躍する卒業生を輩出しています。
さらに、個人セッションでは、潜在意識の力を最大限に活かし、「心を整え、人生を望む方向へ導く」サポートを行っています。クライアントが自らの内なる力に気づき、本来の自分として生きられるよう導くことを使命としています。
著書には、
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『世界基準のヒプノセラピー入門』(河出書房新社)
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『7日間で成功する自分になる ヒプノコーチング』(さくら舎)
などがあり、ヒプノセラピーと潜在意識の実践的な活用法を、一般読者にもわかりやすく紹介しています。




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