ヒプノセラピーは、催眠状態を活用し、潜在意識に暗示やイメージをインストールし、さらに退行テクニック(年齢退行や前世療法)を駆使して抑圧された否定的感情を解放することで、心の状態や行動に肯定的な変化を促すセラピー手法です。
催眠状態を通じて深層心理に働きかけ、ポジティブな変容を引き出すヒプノセラピーは、人の心の健康とバランスの維持をサポートします。
「催眠」という言葉から、一般的に「催眠術」のイメージが浮かびがちですが、それが原因でヒプノセラピーは怪しいといった誤解が生まれることがあります。
しかし、ヒプノセラピーにおける「催眠」は、深いリラックス状態を指し、これは瞑想に似た状態です。
ヒプノセラピーはリラックスして潜在意識にアクセスしていくプロセスを通じて、心の健康とバランスを向上させる手段として利用されるものであり、決して怪しいものではありません。
近年、神経伝達物質と身体のつながりが科学的に解明される中で、ヒプノセラピーの可能性に対する注目が急速に高まっています。
このように注目を浴びるヒプノセラピーは、実は歴史的には非常に古いものであり、心理療法の中で言えば、人類が最初に採用したセラピーの一つです。
その歴史は古代エジプトの眠りの寺院から始まり、中世フランスのフランツ・アントン・メスメル、20世紀の精神科医ミルトン・エリクソン、アメリカの医師に対して催眠を教えたデーブ・エルマン、米国催眠療法協会の創設者A・M・クラズナー、そして前世療法の提唱者ブライアン・ワイスまで、さまざまな時代や人物に渡り発展してきました。
ヒプノセラピーは長い歴史を誇り、どの時代においても人の心に深くアクセスし、肯定的な変化をもたらす手法として用いられてきました。
そして、その信頼性と歴史的な背景から、現代の科学的な研究でもその可能性に対する期待が高まっています。
意識と無意識(顕在意識と無意識)

人の意識は複数のレベルから成り立ち、ヒプノセラピーは特に無意識(潜在意識)に焦点を当てています。
通常、顕在意識は約10%であるのに対し、無意識(潜在意識)は90%とされ、私たちはこの無意識から強い影響を受けています。
この考え方は仏教の思想とも共通しており、最も浅い意識は前五識と第六識で構成され、その下に末那識(まなしき)があり、最も深い領域には阿頼耶識(あらやしき)が位置しています。
前五識には、視覚的、聴覚的、嗅覚的、味覚的、体感覚的な意識が含まれ、第六識が加わり、これらの6つの意識が顕在意識と呼ばれる領域に属します。
末那識はセルフイメージを形成し、阿頼耶識は最も深く、そして、微細な領域の心であり、前世の全ての記憶と行為(カルマ)を保存していると言われています。
ヒプノセラピーを通じて、これらの深層意識にアクセスし、自己イメージを肯定的に変容させたり、過去のトラウマを癒すことで、心の状態や行動をより良い方向に導くことが可能です。
暗示を使ったヒプノセラピー
私たちは幼少期から親、学校の先生、マスメディアなどから受けた影響により、無意識にさまざまな認識がプログラムされています。
このプログラムが私たちの思考や行動に重要な影響を与えています。
暗示療法は、クライアントの潜在意識に肯定的な言葉のプログラムを導入することで、肯定的な行動を促進しようとする療法です。
アファメーションや自己催眠も、この暗示療法の一環として位置づけられます。
これらの手法を通じて、過去のプログラミングを肯定的な方向に変え、より良い思考と行動を育むことが可能です。
イメージを利用したヒプノセラピー
潜在意識は、レモンをイメージするだけで唾液が分泌されるように、現実とイメージの区別がつかない特性を持っています。
この特性を利用し、イメージを潜在意識に植え付け、肯定的な変化を促すセラピーがあります。それがイメージ療法です。
スポーツ選手のイメージトレーニングなど、様々なシーンで活用されるイメージ療法は、恐怖症の改善やヒーリング分野でも利用が可能です。
またハイヤーセルフとの対話や故人とのイメージとの会話を通じて、心の癒しや成長が促進されます。
医療分野でも、光のイメージを用いたヒーリングなどが実際に採用されています。
イメージ療法は、潜在意識の力を活かして、心身の調和を促進し、肯定的な変容をもたらす有力な手法です。
年齢退行
年齢退行は、特に幼少期の記憶から発生するネガティブな感情や信念を解放するテクニックです。
社会学者モリス・マッセイ博士によると、0歳から7歳までの「刷り込み期」に、私たちはさまざまな体験を通じて様々な価値観を形成しました。
この時期に形成された価値観が、ネガティブな感情や信念の基盤となっていると考えられます。
年齢退行を用いれば、抑圧されている幼少期のネガティブな感情や信念を解放することができます。
このテクニックを通じて、「インナーチャイルド」と呼ばれる、潜在意識に存在する傷ついた自分自身も癒すことが可能です。
また、さらに遡ることで、「胎児期」のイメージにアクセスすることもできます。
年齢退行は、深いレベルでの癒しと変容を促進し、心の健康を向上させるための有力な手法です。
前世療法
前世療法は、私たちの時間軸(タイムライン)に生まれる前の時間帯が存在するという前提に基づいています。
このテクニックは、「前世」で経験したネガティブな感情や信念を解放する手法を指します。
前世という概念は一般的に宗教的なものと見なされることがあり、そのためこのテクニックは誤解を受けやすいですが、前世療法は単なるスピリチュアルな側面だけでなく、様々な症状の緩和にも寄与する心理療法として利用されています。
その他のテクニック
上記で説明したテクニック以外にも、認知行動療法的なテクニック、NLP的なテクニックなど、さまざまなテクニックがヒプノセラピーと共に使用されています。
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2008年度のプロのヒプノセラピストとして開業し、現在は、アメリカを代表するヒプノセラピスト団体、NGH米国催眠士協会から、ヒプノセラピーのトレーナーとしては最高峰に位置する、マスタートレーナーとしての認定を受けています。
現在は主に、パーソナルセッションと、クリアライトヒプノセラピースクールというスクールを通して、ヒプノセラピーを本格的に学びたいと思っておられる方々にヒプノセラピーの本格的な知識とスキルを提供しています。
(このページの記事はマスタートレーナーの今本忠彦によって執筆されました。)
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