前世療法とブライアン・ワイス博士
2013年6月12日
この記事の執筆責任者:クリアライトヒプノセラピースクール代表:今本忠彦世界最大級の会員数と最も長い歴史を誇る米国のヒプノセラピストのプロ団体、NGH米国催眠士協会(National Guild of Hypnotists)のマスタートレーナーとして活動中。前世療法に関しては、前世療法の世界的権威、ブライアン・ワイス博士のプロフェッショナル講座を卒業。2009年より現在まで、800名を超えるプロのヒプノセラピストの養成実績を誇る。執筆書に、『世界基準のヒプノセラピー入門(河出書房新社)』がある。
前世療法とブライアン・ワイス博士
(2008年にNYで開催された、ワイスインスティチュートの前世療法プロフェッショナルトレーニングにて)
こんにちは、クリアライトの今本です。
私自身、ニューヨークにて、ワイス博士から前世療法を学んだのが、2008年なのですが、
それから現在に至るまで、前世療法に関しては、かなりの数のセッション経験を積んできました。
そして、セッション経験を積めば積むほど、この手法の奥の深さに魅了されていくのを感じます。
では今回は、”前世療法”と”ブライアン・ワイス博士”についてお話をしたいと思います。
ワイス博士と前世療法
前世療法とブライアン・ワイス博士を世界的に有名にしたのは、
ワイス博士によって書かれた「前世療法」と言う本が世界的なベストセラーになったことからでしょう。
この本の中に、キャサリンという、不安感、恐怖感、強迫観念、うつ病、そして悪夢に悩んでいた患者が登場します。
そして、ワイス博士が、どのような経緯で、”前世療法”という手法を発見するに至り、
キャサリンに対して前世療法を行うことで、彼女の症状が、どのようによくなっていくのかが詳細に記載されています。
ブライアン・ワイス博士とは
ブライアン・ワイス(Braian Weiss)博士はアメリカの精神科医です。
彼は、コロンビア大学をファイ・ベタ・カッパクラブという会員として卒業されました。
ファイ・ベタ・カッパクラブとは、成績優秀な学生と卒業生のみで組織されたクラブであり、
このことからも、彼の優秀さをよく理解することができます。
コロンビア大学卒業後は、エール大学大学院医学部で医学博士号を取得します。
そして、同大学院精神医学科で専門医学実習を修めた後、
いくつかの有名な医科大学で教え、フロリダ州マイアミ・ビーチにあるシナイ山医療センターの精神科部長に就任します。
前世療法と出会う前のワイス博士は、コチコチの左脳人間で、
超心理学のような〝非科学的〟な分野は馬鹿にしていましたし、
過去世、輪廻転生については何も知りませんでしたし、知りたいとも思ってもなかったそうです。
しかし、シナイ山医療センターでキャサリンと出会い、
そして、前世療法を発見することで、彼の精神療法の見方は大きく変わり始めます。
(ブライアン・L・ワイス. 前世療法2 米国精神科医が挑んだ、時を越えたいやし (Japanese Edition) より引用)
前世療法とは
前世療法とは、ヒプノセラピー(催眠療法)のテクニックの中の1つです。
日本では、前世療法 = ヒプノセラピー、と思われている方が、たくさんいらっしゃるようですが、
前世療法=ヒプノセラピーなのではなく、ヒプノセラピーの中の1つのテクニックの中に
”前世療法”というテクニックがあります。
クライアントを深い催眠状態に誘導し、「問題に関わる前世に戻りなさい」と潜在意識に命令することで、
深層意識にある前世の記憶、または、イメージを引き出して、癒しやヒーリングを与えるテクニックです。
前世療法の性質について
この手法には、大きく分けて、2つの側面があります。
一つは、「前世の存在が確認できる」という期待から来る、”スピリチュアル的な側面”です。
前世療法を通して体験できる前世イメージの信憑性について、
私は過去に、ブライアン・ワイス博士に直接、
「前世療法を通して出てくる前世イメージは、本当に前世のものなのですか?」
と質問したことがあります。
そして、この質問に対する博士の回答は、
「もしあなたが100回、前世療法を体験した場合、
80%以上の確率で本当に存在した前世の記憶が出てくる。」
というものでした。
つまり、ワイス博士は、前世療法を通して出てくる前世イメージは
本当に存在した前世から来ているものであると確信しています。
そして、前世療法のもう一つの側面として、
深層意識にある”反復脅迫観念”を解放することができる、心理療法としての側面があります。
反復強迫観念とはフロイトの造語であり、過去に起こった苦痛を伴う感情的な体験を繰り返し再現しようという、
抑えようのない衝動のことをいいます。
ワイス博士によると、前世で体験したトラウマは、顕在意識では意識できない”反復強迫観念”として
潜在意識に保存されたままであるが、前世療法を通して、これらを解放し、
そのときの感情と学んだことを統合することで効果が期待できるという、フロイトの理論を紹介しています。
また、前世療法によって導出される記憶は、カール・ユングの普遍的元型とも、ある意味では似ていると言っています。
しかし、同時に、前世療法によって導出されるイメージは、ただの元型やシンボル的なものではなく、
過去世から現在まで続いている人間の実際の体験の記憶の一部だとも言い切っています。
(ブライアン・L・ワイス. 前世療法2 米国精神科医が挑んだ、時を越えたいやし、より引用)
前世療法の実際のセッション
私が実際のセッションで前世療法を使うのは、
例えば日常生活の中で、何か問題を抱えているクライアント様がいて、
その問題の原因が「前世にあるのでは?」
と思っておられる場合、そして、クライアントが、この手法を試してみたい!
と思われている場合にこの手法を使用しています。
そして、この手法を使えば、ほとんどの場合において、
クライアントの潜在意識の深くに抑圧されている、
ネガティブな感情を解放することができ、
こころの状態を癒すことができます。
前世療法の流れ
前世療法が、どのような流れで進んでいくのかを説明しましょう。
まずは、カウンセリングをします。
何が問題なのか?そして、クライアントはどういう理由で
前世療法を受けようとしているのか?をしっかり調査します。
特に、前世療法を受けた後に、どのような結果を期待しているのかを聞きます。
次に、催眠状態に入るための事前説明をします。
というのは、一般的に”催眠に入る”ことに対して、
過度に期待されている方がいますし、
反対に、過度な恐怖心を抱く方もいます。
よって、セッションの前に、催眠とは何なのか?
催眠に入れば、どういうことが起こるのか?
について、しっかり説明します。
こういうプロセスを通して、クライアントには
100%安心してセッションを受けることができるように誘導していきます。
そして、催眠に誘導して、クライアントの潜在意識に
「その問題の原因となっている前世の記憶に戻ってください!」
と命令します。すると、クライアントの潜在意識は、その記憶らしきものを出してきます。
前世イメージの出方には個人差があるのですが、
しっかりイメージを引き出すことができるよう、
しっかりしたテクニックを身に付けなければなりませんし、
観察力を鍛えなければなりませんし、
忍耐強くなければなりません。
通常は、足元から確認をしていきます。
「どんなものを履いていますか?」とか
「裸足ですか?」など。
それが上手くいけば、次に、「どんなものを着ていますか?」など、
身に着けているものについて確認をしていきます。
それがわかれば、「男ですか? 女ですか?」といった、性別に関するもの、
次に、年齢を聞き、そして、「野外ですか? 室内ですか?」
といった、周りの状況を聞いていきます。
前世を体験するパターンには大きく分けて2つのタイプがあります。
その一つは、物語形式というもの。
これは、ひとつの人生について、物語を語るように語られるパターンです。例えば、着地時には16歳、次のシーンが30歳、次が50歳、そして、60歳、そして、死ぬ場面、 など。一つの人生の内容を物語のように語ります。
もう一つのパターンは、主要場面想起というもの。
このパターンでは、いきなり、トラウマに関連する主要な場面を想起します。
最後に、You Tubeにワイス博士が団体を前世に退行させている映像がありましたので、
ここに紹介させていただきます。
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