退行催眠のやり方
2012年12月29日
この記事の執筆責任者:クリアライトヒプノセラピースクール代表:今本忠彦世界最大級の会員数と最も長い歴史を誇る米国のヒプノセラピストのプロ団体、NGH米国催眠士協会(National Guild of Hypnotists)のマスタートレーナーとして活動中。2009年より現在まで、800名を超えるプロのヒプノセラピストの養成実績を誇る。執筆書に、『世界基準のヒプノセラピー入門(河出書房新社)』がある。
ヒプノセラピーでは、過去のトラウマを癒すために、
退行するテクニックがよく使用されます。
退行するテクニックのことを、一般的に”退行催眠”と呼んでいますが、
細かく分類すると、
今生の幼いころに戻れば、年齢退行になりますし、
お腹の中にまで戻れば、
胎児期退行になりますし、
さらに、過去世に戻れば、前世療法、になります。
このテクニックを使うと、ほとんどの場合
過去のつらかった体験が再現され、
その体験を癒すことで、
クライアントの過去のトラウマを癒して解放することを
援助することができます。
年齢退行のやり方
退行催眠の中でも最も難しいテクニックとされる、
年齢退行の手順を簡単に説明すると以下になります。
1:どのような問題を抱えているのかをカウンセリングする。
2:催眠誘導する。
3:潜在意識に対して「問題の原因となっている幼い頃の記憶に戻ってください。」と命令する。
4:幼い頃の体験と現在の問題との関連を探る。
5:幼い頃のトラウマ体験を癒す。
年齢退行を行うときの注意点
カウンセリングからトラウマの解放まで、
それぞれの段階は特に入念に行われる必要があり、
かなりのスキルが必要なのですが、
特に最も高いスキルが必要なのは、
過去のトラウマ体験を、どのように癒すのか?
です。
伝統的な催眠手法では、セラピストの巧みな暗示によってトラウマを癒します。
例えば、「無力であった幼い頃に体験したトラウマを、大人になった今にまでに引きずらなくてもいい」
という暗示であったり、
「幼く無力であったが故にその体験がトラウマになったが、今のあなたならもっと上手く対応できた。」
といった具合に暗示を与えます。
そして「これから先は、そのような過去の体験に足を引っ張られることはない。」
という具合に、前向きになれる暗示を与えます。
しかし、暗示だけで癒そうと思えば、
暗示力に自信のないセラピストにはハードルが高くなるので、
最近では、ここを簡単に行うために、
多くのセラピストは、インナーチャイルドを癒すイメージワークを使っています。
代表的なやり方は、
クライアントが幼い頃の記憶を再現してトラウマ経験をしている時に、
大人のクライアントが幼い頃の記憶の場面に入っていき、
傷ついている子供の時の自分自身と対面して、抱きしめるというやり方が一般的です。
このようなイメージワークを使えば、
イメージの中で、クライアントがクライアント自身を癒すことができるので、
暗示力に自信がないセラピストでも、比較的に簡単にトラウマを癒すお手伝いをすることができます。
年齢退行は最も高度なスキル
過去のトラウマを扱う年齢退行は、しっかりした知識とテクニックが必要な高度なスキルです。
クリアライトでは、10日間のプロフェショナルトレーニングの中で、このスキルをお伝えしております。