失敗しないヒプノセラピースクールの選び方
2022年2月17日
はじめに:なぜスクール選びで失敗が起こるのか
現在、日本には多くのヒプノセラピースクールがあります。
しかし、同じ「ヒプノセラピー」という言葉を使っていても、教える理論・技法・倫理基準・育成方針はスクールごとに大きく異なります。
「どこで学んでも同じ」という前提で選んでしまうと、学び直しや遠回りによる時間的・金銭的なロスが発生しやすいのが現実です。
なぜここまでカリキュラムや受講費用に大きな差があるのか?
その理由の一つは、トレーナー(講師)のバックグラウンドと指導方針の違いにあります。
日本には心理学・医療・教育・スピリチュアルなど、さまざまな経歴を持つヒプノセラピートレーナーが活動しており、
それぞれの考え方や価値観がカリキュラムに反映されています。
同じヒプノセラピスト協会に所属し、同じ資格名を発行していても、
講師によって教える内容の深さや実践性には大きな差があることを理解しておく必要があります。
講座の日数と受講費用の違い
わずか3日間や5日間といった短期間で、プロレベルのスキルを教えるというヒプノセラピースクールがありますが、
短期講座は入門としては良いのですが、「プロとして活動できるレベル」まで到達するには、理論・実技・倫理・ケース検討のすべてを時間をかけて学ぶ必要があります。
一方で、20日以上かけて学ぶ長期コースは、じっくり学べる安心感がある反面、受講費用が高額になる傾向があります。
中には、私立大学の年間学費に近い受講料を設定しているスクールも見受けられます。
もちろん、各スクールにはそれぞれの方針や教育理念があり、費用設定には理由がありますが、
アメリカなどヒプノセラピー先進国の基準と比べると、費用感に大きな違いを感じる人も少なくありません。
実際、アメリカではヒプノセラピーを学ぶために100万円以上を支払うことはまれです。
そのような高額な費用を払う場合、多くの人は「ヒプノセラピーだけでなく、トレーナー資格やNLP、コーチングなども同時に学べるはずだ」
と考えるでしょう。
つまり、日本ではまだ教育内容と費用のバランスが統一されていないのが現状であり、
スクール選びの際には、この点を慎重に見極める必要があります。
本ガイドでは、こうした背景を踏まえ、プロのヒプノセラピストを目指す方が、
最初の一校で正しく選べるようにするための客観的な基準と質問テンプレートをまとめました。
1. まず理解しておきたい前提(国家資格の有無と用語)
ヒプノセラピーは国家資格ではなく民間認定が主流です。
よって、各団体によって認定要件・教育時間・倫理基準・評価方法は異なり、
同じ「ヒプノセラピスト資格」という名称でも内容にかなりの差があります。
さらに重要なのは、同じ協会・同じ資格名でも、講師(トレーナー)によって教える内容の質と深さが大きく変わるという事実です。
協会が提示する必修枠はあっても、授業の設計は講師の訓練歴・臨床経験・指導哲学に強く左右されます。
つまり、スクール選びでは「資格名」だけを見て判断せず、内容(時間数・科目・実技の有無・倫理・講師の訓練歴と実務件数)で比べることが不可欠です。
目安として、以下を事前に確認してください。
2. 失敗しないための7つのチェックリスト
① トレーナーの訓練歴を確認する
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◾️どの機関で、何時間、どのカリキュラムを修了しているか。
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◾️師系(ヒプノセラピーを誰かた学んだか?の有無。
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◾️「独自手法」だけを強調し、基礎訓練の裏付けが薄い場合は要注意。
② 実務セッション歴・成果の開示
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◾️何年で、何件程度の個人セッションを経験しているか。
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◾️得意分野(禁煙・恐怖症の緩和・睡眠・インナーチャイルド・前世療法等)の実績。
③ 指導者のセラピー哲学(方向性)
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◾️原因志向か、解決志向か
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◾️年齢退行やトラウマワークの倫理的な基準。
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◾️年齢退行やインナーチャイルドを通して「誰かを悪者」にして終わらせない再解釈・再統合の技法があるか。
④ 卒業生の実績と見える化
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◾️何名を育成し、卒業生はどのように活動しているか。
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◾️卒業後の開業支援・ケース検討会・紹介制度の有無。
⑤ 卒業後サポートの具体性
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◾️再受講制度(無料/有料/期間・回数)
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◾️メンタリング・スーパービジョンの頻度・費用
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◾️練習会・勉強会・ケース検討会の運営実態
⑥ 指導法と学習体験
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◾️講師がやることの丸暗記やコピー強制ではなく、原理理解→応用→自分の言葉化まで導くか。
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◾️実技は観る→やる→フィードバック→再実践のループが設計されているか。
⑦ 日数・時間数・評価の妥当性
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◾️「プロ前提」なら、理論+実技+倫理+評価が一定時間必要。
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◾️1〜5日で「即プロ級」を謳う場合は範囲や評価の精度を要確認。
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◾️10日以上なら基礎技法の一通り+反復演習+倫理が現実的。
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◾️20日以上は学習効果が高い一方、投資対効果の判断が必要。
3. 最低限カバーすべきカリキュラム(必須科目)
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◾️催眠理論:催眠・暗示・潜在意識の働き
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◾️事前面談:傾聴・課題とゴールの確認・説明と同意(インフォームドコンセント)
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◾️被暗示性テスト:少なくとも3種以上を実践で
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◾️催眠誘導:許容的/権威的など3法以上
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◾️暗示技法:言語パターン・未来ペーシング・自己催眠
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◾️イメージ活用:誘導・リソース想起・視点切替(知覚ポジション)
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◾️年齢退行:トラウマの安全な扱い、再体験→再解釈→再統合
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◾️インナーチャイルド:安全な呼びかけ・境界・倫理
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◾️前世療法:象徴として扱うスタンスとスピリチュアル的な側面の両方からアプローチ
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◾️倫理と法的配慮:守秘、同意、適用範囲、医療との連携・紹介
4. 資格と団体の見方(NGH/ABH の例)
NGH(National Guild of Hypnotists/米国催眠士協会)
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1950年設立、世界最大級の会員規模を持つプロ団体。
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日本国内でも100時間前後の認定トレーニングが一般的。
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ヒプノセラピスト資格/トレーナー資格の体系があり、国際的な通用性が高い。
ABH(American Board of Hypnotherapy/米国催眠療法協会)
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1982年設立。創設者はA.M.クラズナー博士。
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入門〜上級まで複数レベルの認定(例:基礎的ヒプノセラピスト、マスターヒプノティスト(90時間以上)、トレーナーなど)。
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団体は違えど、見るべきは科目・時間数・実技評価・倫理基準です。
注意:資格名称が同じでも、団体・講座によって要件が異なる場合があります。必ず時間数・科目・評価方法を確認しましょう。
5. スクール比較に使える「質問テンプレ」
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◾️トレーナーはどの団体で、何時間、どのカリキュラムを修了していますか?
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◾️個人セッションは何年で何件程度のご経験がありますか?得意領域は?
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◾️年齢退行・トラウマワークの倫理と注意点は、どのように教えていますか?
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◾️卒業生は何名ほどで、現在の活動状況を見られますか?
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◾️卒業後サポート(再受講・メンター・ケース検討・練習会)は具体的に?
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◾️カリキュラムの科目・時間数・評価方法(実技・レポート・口頭試問など)は?
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◾️前世療法は心理療法的なアプローチとスピリチュアル的なアプローチのバランスが取れているか?
- ◾️返金・振替・休学などの規約は事前に確認できますか?
まとめ:基礎に忠実、実務に強いスクールを
ヒプノセラピーは理論×技法×倫理×経験の職人芸的なセラピー手法です。
「資格名」ではなく、学習設計と評価の質、卒業後の伴走まで見て選びましょう。最短距離でプロを目指すなら、最初の一校を丁寧に選ぶのが最大の近道です。
参考:クリアライト・ヒプノセラピースクールの方針(ご案内)
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クリアライト・ヒプノセラピースクールはNGH/ABH 正式認定の本格カリキュラムをご提供しています。
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約10日間で基礎を網羅し、反復演習と実技評価を重視
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年齢退行・インナーチャイルド・イメージ活用・倫理を体系的に指導
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卒業後の再受講・ケース検討・メンタリングを整備
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代表トレーナー:今本忠彦(NGH/ABH マスタートレーナー)。2009年より1000名超を育成
まずは体験会・説明会で、比較材料を持って他校と見比べてください。
この記事の執筆者
今本忠彦(いまもと・ただひこ)
CLEAR LIGHTヒプノセラピースクール代表
NGH米国催眠士協会(National Guild of Hypnotists) 認定マスタートレーナー
ABH米国催眠療法協会(American Board of Hypnotherapy) 認定マスタートレーナー
全日本ヒプノセラピスト協会(All Japan Hypnotherapist Association) 認定マスタートレーナー
2009年より、1,000名以上のプロヒプノセラピストを養成。
現在、CLEAR LIGHTヒプノセラピースクールにて、プロのヒプノセラピストを目指す方々に実践的な指導を行っている。
著書に『世界基準のヒプノセラピー入門(河出書房新社)』、
『7日間で成功する自分になる!「ヒプノコーチング®」(さくら舎)』がある。
日本におけるヒプノセラピー教育の第一人者として活動中。
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